PRODUCT STORY
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エフピコ商事は、食品関連資材・消耗品の専門商社として、販売事業を展開するとともに、独自の商品開発機能を有し、市場ニーズに応える商品を生み出しています。
この度、当社プライベートブランド事業の中核を担う開発部ジェネラルマネージャーの関氏に、商品開発における当社の理念と、革新的な商品として高い評価を得ている「不織布フルーツキャップ」の開発プロセスについて、インタビューを実施しました。
執行役員 開発部ジェネラルマネージャー
関 謙司
株式会社エフピコにて約13年に渡る営業実績を積んだ後、2012年よりエフピコ商事株式会社開発部に着任。
豊富な営業経験を基盤とし、市場ニーズを的確に捉えたプライベートブランド商品の企画開発および商品改良に従事。
私たちを取り巻く環境は日々変化しており、特に生活に欠かせない食品業界は目まぐるしく変わっています。その中でも「人手不足」「物流問題」「フードロス」などの課題は深刻化しており、包装資材によってこれらの問題を解決できないかと考えていました。
私たちは商社として、メーカー様から仕入れる商品も多数取り扱っています。世の中にある商品を探し出し供給することは従来から行ってきたことですが、日々変化する時代の中で、現在の課題に対応した商品が見つからないケースが出てきました。そのような場合は、自分たちで作るしかないという発想から商品開発が始まりました。
2024年に誕生した不織布製のフルーツキャップをご紹介します。こちらは先ほど課題として挙げた「物流問題」を解決するアイテムです。
従来のフルーツキャップは緩衝性を極限まで追求した結果、体積が大きく、物流効率や在庫スペースの問題を抱えていました。
さらに、フルーツキャップは夏場の需要期である7月から9月の3か月間*で年間出荷量の約45%を占めるなど、非常にハンドリングが困難な商材のため、ディーラー様やユーザー様には大量の在庫を抱えていただかなければならないという課題がありました。 *当社調べ
その悩みを解決すべく誕生したのが不織布フルーツキャップです。
4サイズのラインアップを展開していますが、最も大きいLサイズでもケースサイズは約2.2才(430×340×420mm)です。これは発泡のフルーツキャップと比較して1/4~1/5のサイズとなっており、サプライチェーン全体で物流コストと在庫スペースを大幅に削減することができます。
ただし、フルーツキャップには緩衝性が必要です。緩衝性を持たせながら、どのように省スペースを実現したのか。これは不織布の特性を活かした仕様によって実現しました。
保管時は平袋の形状となっており、最大限の省スペース化を図っています。しかし、スリットが入った平袋を左右に引っ張ることで、ジャバラ状の網目が出現し、この網目が緩衝性を発揮します。
この網目にはもう一つの重要な役割があります。それは伸縮性です。豊作・不作による果物のサイズ変動は毎年発生し、それに対する急な変更対応は非常に困難なものです。気候変動や品種改良により、果物の特性は今後も変化していくでしょう。このジャバラ状の網目は伸縮性を持っているため、7号~17号のフルーツキャップに対して4サイズで対応でき、在庫管理の負担軽減や欠品リスクの低減につながります。
不織布のメリットは他にもあります。それは不織布が持つ発色の美しさです。「キレイ!」「こんなに色があるの!?」これは不織布フルーツキャップの第一印象として多く寄せられる声です。
8色のラインアップは、パキッとした鮮やかな色から繊細なナチュラルな色まで揃えています。必要な緩衝性を確保しながら、果物本来の色を引き立たせることを重要視しました。
供給や在庫の問題からか、白色を多用した売り場をよく見かけます。青果売り場は顧客との最初の接点であり、そこで商品を魅力的に見せることが購買につながると考えています。この不織布フルーツキャップでそのお手伝いができれば嬉しく思います。
自分の言葉が作ってもらう人に影響を与え、販売してもらう人にも影響を与える可能性があるということを常に意識しています。ものづくりをするからには、作り手の都合だけではなく、製造からユーザーまでを想定しなければならないと感じています。
作る人と使う人の中心にいることを心掛け、商品化後もブラッシュアップを続けていくことが重要です。私たちは工場を持たないファブレスメーカーですので、製造、販売、使用するユーザーすべてにメリットを享受していただける商品でなければならないと考えています。
この考えは素材から設備投資、人、物流、倉庫すべてにおいて必要な考え方であり、私たちは「全体最適」と呼んでいます。今後もこうした理念にご賛同いただけるパートナーと一緒にものづくりを行っていきたいと思います。
私たちは「現場」へ出向き、「現物」を手に取り、「現実」を見極めることを大切にしています。現場で起きていることから目を背けず、良いことも悪いことも、自分たちの目で見極めることを重視しているからです。
この姿勢は、当社が業界では比較的長い開発期間(最長5年)を設けていることにも現れています。しかし、それは市場調査や独自の検査方法、ユーザー様でのテストを経て「最適化」と自信を持って言えるまでの時間です。
従来、日本の商社は日本特有の機能を発展させ、現地で情報を集め、日本のメーカーが世界で商売をできるようにしてきました。この商社機能がなければ、各メーカーが海外に拠点を持つ時代が来ると思います。
商品開発においては、作る人と使う人の両方に対して視野を広げ、品質やコストなどを総合的に考えることが必要です。私たちは当社が商社だからできる視点を活かし、未来の開発のあり方を考えながら、商社としての立ち位置を確立させていきたいと考えています。
当社のプライベートブランド商品開発における理念と展望 ~エフピコ商事ならではの価値創造を目指して~
開発部門を統括する関ジェネラルマネージャーに、独自の商品開発戦略と、その背景にある信念についてお話を伺いました。
Private Brand
お客様と向き合い、従来の概念にとらわれない発想で開発した当社のプライベートブランド。
素材・機能・パッケージ・環境配慮・価格までとことんこだわり、多くのお客様から高い評価を得ている商品です。
お客様の声を活かしたプライベートブランド(PB)商品を開発しています。
「究極の使いやすさ」「フードロス対策」など、食ビジネスの課題解決を追求したオリジナル商品です。